建物内部と外部を仕切るもの、または建物内部を仕切るもので、仕切るために設けた開閉できるものの総称です。
ドアやガラス戸、襖や障子などを指します。
用途は、出入口、通風口、採光、遮音、防犯など多岐にわたり、それぞれにさまざまな建具が使われています。
建具の歴史はとても古く、現存する最古の木製建具は飛鳥時代に建てられた法隆寺金堂の板戸と言われています。また、人々の暮らしの中に初めて登場した建具が平安時代に作られた「寝殿造り」と呼ばれる貴族の住居。(内部は一部を除き壁がなく、几帳や衝立で仕切られており、外部の仕切りは蔀戸を吊っていました)
桃山時代から江戸時代にかけて登場した「書院造り」。住宅の外部には明り障子を使用、板戸・雨戸で仕切られ、内部は襖、欄間や障子に意匠を凝らしています。デザイン的な組子や細工が施され、襖には鮮やかな絵が描かれるようになり、建具の実用性だけでなく、そのデザイン性も注目されるようになり、同時に、建具職人の匠の技術も注目されるようになりました。
明治以降は、海外からの技術を取り入れ、経済的で大量生産が可能なフラッシュ戸や気密性、断熱性に優れているアルミサッシ等が主流となりました。
全国建具組合連合会では、全国から集結した建具の展示会を行っています。匠の技術を持つ職人が製作した、組子を使用した鮮やかな作品から現代の住宅に合った作品まで、様々な建具が展示されました。そして平成27年に開催された東京大会では、創立60周年記念大会という節目でもあり、新たな試みとして、建具と異業種とのコラボレーションというテーマ展示を実施しました。展示された作品は、鉄やステンドグラスといった異素材とのコラボ作品など、建具の在り方を問う、次世代を見据えたテーマ展となりました。